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ブドウ博士になろう!地元小学生がブドウ栽培体験

 耳納連山の山裾にある水縄小学校(久留米市田主丸町石垣 google map)。水縄小の子供達は、ブドウ博士を目指して、毎年学校の直ぐ隣の上野愛果園(経営者・上野徹さん)で、ブドウの巨峰の栽培を学んできました。今年も5月中旬から始まった体験授業の第1回目を見学させてもらいました。

上野徹さんに教えてもらうブドウの摘蕾
 上野愛果園の中でも8月5日に巨峰を収穫できるよう特別にビニール屋根が備えられたブドウ畑。先生に連れられ子供達が入ってきました。中にはブドウ農家の子もいますが、実際に栽培をした子は全くいません。何するんだろう?皆、興味深々で目をクリクリさせています。
 そんな子供達を、愛果園を経営する上野徹さん。20年もの間体験授業を教えられた経験に基づき、笑顔で優しく、身振りで楽しく、今日皆がするブドウの摘雷のやり方を説明されました。
 使うハサミは、握り部分に刃先からの長さを測る目盛りがあります。小さな道具にもブドウ栽培に特化した工夫があって、大人の私にもとても興味深い説明でした。


いざ!ブドウにハサミを入れる緊張感
 そして、グループに分かれて一人一人がブドウにハサミを入れていきます。初めてのことでオドオドする皆。でも徹さんや愛果園の皆さん、そして、今日は福岡県久留米市普及指導センターのお二方が、切る場所を分かりやすく教えてくれるので、すぐに子供達の顔に笑顔が戻ってきました。
 箱に乗りながら、それでも頭の上にあるブドウの房を一生懸命に見つめる眼差し。ハサミを入れてパッと弾ける笑顔。見ている私も達成感を満喫するほど、子供達の喜びは大きいです。間違いなく、この子達はこの喜びを一生覚えているはず。

子供達の質問にイノシシの実演も!
 一人一人が体験し終えて再び集合。次回6月に行う袋かけの説明を徹さんから聞くと、最後に子供達からの質問タイム。すると、最初の集合時とは見違えて、あちこちからハイ!ハイ!の手が上がりました。ブドウの木の育て方、上からぶら下がる物の正体(スプリンクラー)、ペットボトルの風車が周りにある理由…等々。ペットボトル風車が回る振動が土中に伝わり、モグラを寄せ付けない。えっ、そうなんだ!子供達の質問に私も教えられました。
 徹さんは、モグラだけでなく、イノシシもブドウ畑を狙っていることを説明。大型のイノシシが二本立ちすると、子供達が摘雷した枝まで口が届く高さになり、ブドウをむしゃむしゃ食べてしまう。イノシシになりきった徹さんの実演は、子供達に大いに受けました。

次回第2回目は、ブドウ房の袋かけ
 私も摘雷を体験させてもらいました。やはり見るのとやるのは大違い。食べ物を育てるという緊張感がとても新鮮でした。次回の第2回目の水縄小ブドウ栽培体験授業は、もうすぐ。また同行させてもらって、ブドウ畑から、水縄小の子供達から、元気をもらいます!
 久留米市・広報くるめ 平成19年1187号(2007/8.15) 巨峰開植50周年 大粒の夢 人から人へ


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