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巨峰ワイナリー「ワインの森大学(ワイン造り教室)」第2回 ブドウ袋かけ、ワインマッチング

巨峰ワイナリー「ワインの森大学(ワイン造り教室)」第2回
袋かけとワインマッチング
 5月のブドウ花摘みに始まり12月のオリジナルワイン瓶詰めまでを体験する2019年・第3期巨峰ワイナリー「ワインの森大学(ワイン造り教室)」。8月17日は、その第3回がいよいよ開催。その前に、6月に行われた第2回のブドウ袋かけとワインマッチングを思い返してみましょうか。

梅雨入りも無く、花摘みしたブドウと再会
 前回、鳥越先生におどかされました。「次回は雨でビショビショに濡れると思います。大変ですが頑張ってください」と。しかし…。当日6月22日の九州北部は、まだ梅雨入りをしていませんでした。
 今回はワインマッチングでワインを味わうため、水田の道を歩きながら巨峰ワイナリーを目指しました。歩く先に見える耳納連山に、これから学生さん達が袋かけするブドウ畑も見えました。
 アジサイの咲く道を辿り、巨峰ワイナリーの入口に。フィトンチッドに溢れた耳納連山の森に包まれたココに来ると、いつも癒された気分になります。
 前回学生さん達が花摘みしたブドウは?早々にブドウ畑へ向かうと、緑色の玉が沢山なった房があちこちにぶら下がっていて、とても嬉しい気持ちに。さて、ブドウの房に袋かけすると、どんな景色に変わるのか?…。期待しながら、授業開始を待つことに。

今回は、畑全部の作業を完全制覇!
 いよいよ、ワインの森大学の学生さんが先生と一緒にブドウ畑に。前回に引き続き鳥越先生、川島先生と共に、今回は小柳先生も参加されました。
 畑に入る前に、鳥越先生が一人一人に肥料袋を配ります、はてな…?その正体は、先生手作りの前垂れ。作業しやすくするために袋かけ用の袋は水に濡らされていて、そのためビニール製の防水前垂れが必要なのだとか。学生さん達は前垂れを締め、鳥越先生の事前説明を聞き、やる気満々です。
 前回の花摘みは、ハサミの扱いに全員が苦戦。結局、畑の3分の1をやり残しました。でも、今回は、作業に慣れるまでに時間はかかりませんでした。最初は質問や指導の会話で賑やかでしたが、すぐにそれも静まりました。その後は、カサカサと鳴る袋の音と、周囲の葉々を揺らす風音だけとなりました。
 鳥越先生の言葉を信じて長靴履きの重装備の学生もいましたが、いかに日焼けを避けるかに心を砕く学生さん方が目立ちました。確かに、日差しが強まる青空を見上げる作業に、皆眩しそうに目を細め、汗を滲ませていました。さらに、高い場所の房には、背伸びして挑まねばなりません。どうにか、一時間で畑半分をやり終えて中休み。テントの日陰で、冷えた水やお茶で、やっと皆さん一息つきました。
 それでも、残り半分は早さがさらに増し、一時間もかかりませんでした。終わりに近づくにつれ、最後の一角にどんどん皆々が集まる光景は圧巻でした。とうとう、最後の一房に袋をかけて全てが完了!やり直しのハプニングも一部ありましたが、皆満足して鳥越先生に拍手を送り無事袋かけ作業は終わりました。

ワインと簡単おつまみ料理に盛り上がったワインマッチング!
 いよいよワインマッチング。6種のワインに対して、ワイナリーが提案するおつまみ料理の相性を皆で判定します。とは言っても、堅苦しい雰囲気は全く無し。マッチングの始まりを待つ間も、緑色ブドウの味見タイムが突然始まり、味わった勇気ある人達の反応に一同大笑いです。
 各ワインが注がれたグラスを置く6つの丸が描かれた紙が配られます。各ワイン名の下には、本日のおつまみ名称と自由コメント欄が書かれています。ワインマッチングの進め方は、川島先生がワインの特徴と合わされた料理の選択理由を説明した後、各テーブルで学生さん達がそのワインを注ぎ合い、指定の料理を食べてみて、その感想を記入していきます。
 今回のマッチング提案6品は、手軽にワインを楽しめる簡単つまみです。内容は、①キウイスパークリングワインと、きゅうりの浅漬け(サラダ前菜の代わりに)、②巨峰ルージュと、生ハム(ワインの色に合わせて。因みに赤ワインは常温と言われるが、日本の気候だと若干冷やすのがお勧め)、③巨峰ドライと、アジフライ(酸味が少ない甘い巨峰ドライは和食、特に魚と相性が良い。普通は刺身だが、今回はあえてスーパーで買えるものを取り合わせ)
 次に、④ブルーベリーワインと、焼き鳥(甘口ワインは、バーベキュー甘辛タレにも相性良し)、⑤甘夏ワインと、ソース味焼きそば(爽やかな酸味のワインで、チーズや前菜に合う。でも実は焼きそば、お好み焼き、たこ焼きとも合う意外性)、⑥あまおうワインと、チョコレート(スイーツと相性が良く、カクテルにすることもあるワインなので)。
 マッチングは初めてのこと、説明を聞く学生さん達は神妙な面持ちでしたが、ワインが一口入ればすぐ陽気に。ワイワイガヤガヤと楽しく判定談義に花を咲かせます。各テーブルでは皆での乾杯あり、じっくりワインを味見する姿あり、川島先生に細かい説明を求める姿あり。とても充実した時間が流れて行きます。
 ワインマッチングの後には、さらに焼肉バーベキューまで。もちろん、テーブルは移っても、ワイングラスは忘れません。楽しい雰囲気こそが、ワインに最上マッチするおつまみ料理で間違いないようです。
 こうして第2回の体験講義は大団円の内に終了しました。その賑やかさをバスにまで持ち込んだまま、学生の皆さんは満面の笑みで帰路についたのでした。

来る第3回は、ブドウ収穫と、足踏みでのワイン仕込み
 8月17日(土)に迫った「ワインの森大学」第3回は、いよいよワイン造りに着手です。
 6月に自ら袋かけしたブドウを収穫。そして、そのブドウを自ら足踏みしてワインの仕込みをします。今までとはまた違う皆さんの新たな喜びの姿に出会えるはずです。

インフォメーション
 ●巨峰ワイナリー KYOHO WINERY 公式サイト
 ●2019年「ワインの森大学 第3期生」の講義内容 ワイナリー公式スタッフ・ブログ『ワインの森日記』の「ワインの森大学 受付期限が近づいています!」
 ●マイ・ブログ「ワインの森大学(ワイン造り教室)」が開校!第1回は、ぶどうの花摘み体験
 ●マイ・ブログ「巨峰ワイン「ワインの森大学(ワイン造り教室)」今年も開校

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