スキップしてメイン コンテンツに移動

耳納北麓ジェラート総選挙巡り2019 ④トマトジェラート

新登場:トマトジェラート-古民家を思わせる空間で(道の喫茶 もり辺)
 今年もジェラート総選挙が開催されます(7/20土~9/30月 詳細は、耳納北麓ジェラート街道[久留米市世界のつばき館]サイト)。参加店は9店、初登場のジェラートも。各ジェラートのこだわり、近所のおすすめスポットなどを紹介します。第4回は、今年新登場のトマトジェラート。「道の喫茶 もり辺」の飯田虎男さんがお話してくれました (〒839-1211久留米市田主丸町森部1203-7 TEL: 0943‐72‐0624 google map)。


山苞(やまづと)の道に憧れて古民家風に新築
 お仕事の引退を機に「道の喫茶 もり辺」のお店兼住宅を山苞の道沿いに建てて今年12月で6年。入口の木戸を開けると、杉の床板、土壁に格子に走る木材、吹き抜けに渡された太い梁…。新築なのに古民家そのものの雰囲気に癒されます。
 「古民家に住みたかったが、この道沿いに無かったんです」と飯田さん。そこで和の伝統的構法を得意とする「建築工房 悠山想 」(公式サイト)に頼んで建てられたのがこの家です。釘は一本も使っておらず、土壁は細く裂いた竹を組んだ下地に漆喰を塗っています。
 移り住んだ理由は、田主丸駅付近から見上げる耳納連山の眺め、そして、耳納連山から見下ろす筑後平野の眺め。だから「もり辺」には、山側には庭の見えるカウンター席、麓側には敷地の高低差を利用した広い木製テラスを設けたそうです。
 お店に入れば、心地よく木に包まれた空間で耳納北麓を眺めながら、素敵な料理とネルドリップ・コーヒーを味わう、贅沢なひと時を過ごせます。

料理の素材、ジェラートになって料理のお皿に
 「もり辺」の料理メニューには、季節に応じた手作りジャム(キウイ、苺、桃など)が添えられます。また、ピザソースも手作り。こうしたジャムやピザソースの素材が「もり辺」のジェラートになります。「キウイジェラート」は、ジャム作りで煮込むキウイと同じ。今年新登場の「トマトジェラート」は、ピザソースに使っている地元トマト。いずれも、バニラに負けぬ強い個性があるので、ジェラート素材に選んだそうです。
 また、今年は新たにコンニャクの主成分で血中コレステロール低下などに効果があるグルコマンナンが両ジェラートに入ります。
 ジェラートは、キウイ、トマトに、コーヒー(お店で出されているエイジングコーヒー豆を使用)、ミルク(お店オリジナル)を加えた合計4種類。いずれもカップの持ち帰り用で350円。ちなみに、お店のロゴにもなっているカップの図案は、奥さんの甥御さんによるもの。
 お店ではジェラートに季節のフルーツを添えたジェラートセットが食せます。そのフォトジェニックな盛り付けに喜ぶお客も多いとか。また、ランチセット等主要な料理のお皿にも載っています。料理の素材がジェラートになって、再び料理の一部に戻ってきた感じです。 

飯田さんとっておきの眺め、山苞の道
 お勧めの眺めをお聞きすると、飯田さん「山苞の道、全てが見どころ。言い換えれば、道を歩いて眺めれば、自分自身の感覚でココだ!と思える場所が必ずあります」。しかも、その眺めは時間や天候によって変わります。「耳納連山は屏風山とも呼ばれます。晴れている時も良いですが、雨が降った時の霧が山腹を流れるさまはまさに水墨画の世界です」。
 でもお勧めは、やはり「もり辺」の佇まいそのものだと思います。飯田さんご自身のお気に入りは山側の芝庭を前にしたカウンター席。そこが飯田さんの書斎代わり。お隣り造園屋さんが植えた梅、桜、椿、その上に架かる耳納連山の稜線が借景となります。その景色を活かすために、わざわざ庭は無機質なコンクリ塀とシンプルな芝の取り合わせに。初春から始まるそれぞれの花の開花が楽しみでたまらないそうです。
 芝には小さな一本足のテーブル、鳥に食べてもらうための果実が置かれます。しばらく置いておいたミカンが黒く変色しても、それがそのままアートオブジェに見えてしまう美しさ。飯田さんがここで何時間も過すのも肯けます。
 店内は、井堂雅夫さんの京都清水寺などの版画や荒川洋子さんの陶器が飾られ、素敵なアート・ギャラリーにもなっています。飯田さんは、この土壁に広重の浮世絵「東海道五十三次」を並べるのが夢だそうです。
 傍らには、飯田さんが50年来のご愛用アナログレコードのステレオも置かれています。このステレオ、実は今もちゃんと鳴ります(他のお客さんもいるので普通は鳴らしません、と飯田さん)。試しに1曲レコードを回してもらいましたが、何と懐かしきアメリカン・ポップスのスタンダードで感激!
 耳納連山の麓に伸びる山苞の道。その豊かな自然に囲まれた古民家風「道の喫茶 もり辺」で心癒されるひと時。あなたも楽しんでみませんか?

インフォメーション
 ●道の喫茶 もり辺 公式サイト Facebook 住所:福岡県久留米市田主丸町森部1203-7。TEL:0943-72-0624。営業時間: 11AM-5PM。定休日: 毎週水・木。駐車場:普通車の複数台可能。
 ●有限会社 建築工房 悠山想(ゆうざんそう) 公式サイト「道の喫茶 もり辺」の紹介
 ●ジェラート総選挙の情報 耳納北麓ジェラート街道(久留米市世界のつばき館公式サイト)  
 ●「耳納北麓ジェラート総選挙巡り2019」参加店のブログ一覧
  豆乳ジェラート-昔風に涼みながら味わおう(おとうふ屋 凛) 
  ②久留米つばきジェラート-夏の椿とともに(久留米市世界のつばき館) 
  ③マンゴージェラート-枝から自然落下した完熟の味(鳥越農場) 
  ④トマトジェラート-古民家を思わせる空間で(道の喫茶 もり辺) 
  ⑤巨峰ジェラート-ブドウ園を目の前に(巨峰ワイナリー) 
  ⑥オリーブ塩ミルクジェラート-宿場町古民家の暖簾をくぐり(ギャラリー山帰来) 
  ⑦糀甘酒黒ごまプレミアムジェラート-蔵香り、囲炉裏火香り、ごま香る。(紅乙女酒造) 
  ⑧大人の香ばし緑茶ジェラート-白いキッチンカーを目印に!(Cocon Cafe & Gelato) 
  ⑨ネクタリンジェラート-様々な生き物にも出会えるかも(樹蘭マルシェ) 

コメント

このブログの人気の投稿

NHKがシクラメン・アジサイ生産者『坂本植物園』を取材

  平日夕方 6 時 10 分からのNHKニュース番組『ロクいち!福岡』の1コーナー「西日本の旅」取材班が田主丸を訪れました。 2019 年 4 月 11 日シクラメン・アジサイ生産家『坂本植物園』さんの取材に 私も 同行。坂本植物園さんは「花の国づくり共励会 花き技術・経営コンクール」農林水産大臣賞受賞など全国でも有名な鉢物栽培家。取材風景も面白かったですが、そこに働く方々の溌剌とした姿が印象に残りました。その模様をお伝えします。 ダンディで落ち着いた雰囲気の社長・坂本和盛さん   雨にぐずいついた昨日をまだ引きずった空模様ながら日差しが戻り、新緑も瑞々しい耳納山。その山の麓、久大本線のすぐ傍に『坂本植物園』はあります。幾つもある大きなビニールハウスの一つで、NHK取材班と打ち合わせをする坂本植物園・坂本和盛社長を見つけました。スリムジーンズを着こなし、笑みを湛える姿がとても魅力的。収録本番でも、終始、コーナー担当の庭木櫻子アナウンサーに、丁寧に分かりやすく説明されました。自然と坂本社長の周りに人が集まってくるような優しい雰囲気に満ちていました。 アジサイにも負けぬ華やかさで働くパートの皆さん  最初は取材風景ばかりに気を取られていましたが、そのうち次第にアジサイの花鉢の間をテキパキと動き回る 15 名のパートの皆さん(殆どが女性です)に惹かれて行きました。  ハウスの外に置かれた台車にアジサイを運び出す作業となりました。アジサイ鉢の入ったトレーをバケツリレー式で次々と流し、最後は抱えて台車に載せていきます。台車の上の棚は女性の頭ほどの高さですが、そこへトレーをスイスイと並べます。4つの鉢を載せたトレーは重さ 10 ㎏。台車はトレーで一杯になるとすぐに動かされ、そこへサッと次の台車が。こうして今日は 300 前後の全国各地向けのトレーが短時間で搬出されました。  声を掛け合い、息を合わせて働く姿に、年末の買い出しに行った築地市場の場内を思い出しました。大忙しでも全てスイスイ流れる小気味良さが似ているのです。しかも、ここで運ばれるのは花、そして働くのは女性。とても華やかです。「花の仕事場は静か」という先入観を良い意味で裏切られました。  華やかさは、その後も続きます。今度

ミカン苗木の生産量日本一!田主丸で接ぎ木体験

  福岡県は、ミカン(かんきつ類)苗木の生産量で全国シェア 77 %とダントツ1位。そして福岡県の大部分が久留米市・田主丸産!苗木は和歌山など全国へ売られ、そこで育てられたミカンが店頭に。実は田主丸は一般家庭と深~く繋がっているのです。今回のゴールデン・ウィーク、苗木栽培の基本、接ぎ木を体験してきました。 ゴボウ?!が突き出た苗木畑。接ぎ木のやり方   毎年4月中旬からゴールデン・ウィーク頃にかけて、田主丸のあちこちで、苗木の接ぎ木作業が見られます。その風景を見つけるのは簡単。黒いビニールシートの上にゴボウのような行列が突き出た畑で幾人かで作業しています。ゴボウの正体は、地面近くで伐採されたカラタチ。これが台木となり、そこへミカンの枝(穂木)を接ぐのです。   近くで見せてもらった接ぎ木作業。複数の人が並ぶ行列は3つの役割に分かれています。行列の最初は、台木に切れ込みを入れます。田主丸独特の反りの小刀で、外皮と白い芯部の間の薄い緑部分を切り込むため、両手で刀を扱う職人技。行列の中程は、その切れ込みに別の場所で育てたミカンの穂木をしっかり挿し込みます。最後に、その穂木と台木をテープで巻きます。長さ 5cm 程度のテープを伸ばしながら、ちゃんと隙間無く切れ込みの下から穂木の頭までを包みます。どの役割もちゃんとやらないと、ミカンの芽は出ないそうです。 ずっと屈んだままの作業にこんな工夫も   黒いビニールシートの端はずっと先。その列は 10 列以上。基本的にはずっと屈んだまま全てのゴボウの台木に接ぎ木します。だから作業する皆さんは痛みを和らげる工夫をしています。ずっと地面に付けたままの膝を守るための座布団。座った姿勢でしかも体の動きと連動させるため、腰に括り付けた発泡スチロールの椅子。農協?で売っているコロ付き移動椅子。他所から来た私には、そういった物一つ一つも苗木体験の面白さです。 テープ巻きや、小刀を扱う切り込みまで体験!  「どうです、やってみません?」と誘われ、私も体験させてもらいました。どれも見るのとやるのとで大違い。実に難しかったです。  「ノビール」という名のテープ

「ワインの森大学(ワイン造り教室)」が開校!第1回は、ぶどうの花摘み体験

  ブドウ栽培も体験できる ( 株 ) 巨峰ワイン「ワインの森大学 ( ワイン造り教室 ) 」が開校。 5/11 ( 土 ) に第1回の講義がありました。総勢 24 名の学生さんは、基礎講義とカーヴ ( 地下貯蔵庫 ) などの施設見学で気分を高めて、巨峰ぶどうの花摘みに臨みました。その模様を紹介します。 どうやって出来るの?好奇心を抱いて気軽に入学   今年3期目を迎えた「ワインの森大学」は、レストラン「ホイリゲ」隣の葡萄酒工房で開校。緑色の教本を手にして工房に入れば、ブドウを発酵させる機械やビーカーなどが並べられ、まさに大学の研究室の雰囲気たっぷり。とは言え、ワインの森大学は決して難しくなく、いわば初心者向けの優しく身近な一般教養コースです。  実際、自己紹介では「ワインは普通に楽しむ程度。ワイン造り体験と聞き、どうやって出来るのだろう?と、面白そうなので参加しました。」と気軽な動機を話す学生さんが多数でした。学生さんの多くが福岡市ですが、北九州、鳥栖、熊本からの参加者も。男性より女性、そして、 20~30 代位の若い方も目立っていました。今回を含め 12 月まで 4 回の体験授業。ワインと同様、学生さん達やスタッフさん達の仲の良さが熟す過程も楽しみです。 巨峰ワイナリーの成り立ち、ぶどう栽培とワインの基礎知識   まず最初に、巨峰ワイン・林田安世社長が挨拶を。社長の旦那様が、巨峰ワインを生み出した林田伝兵衛(元禄 12 年創業の若竹屋酒造場 13 代目蔵元)。そして、伝兵衛の父・ 12 代目蔵元林田博行は、田主丸で日本初の巨峰ぶどう一般栽培の成功に大きく関わった人。林田社長がお話しなさる巨峰ぶどうと巨峰ワインの誕生エピソードは、社長が実際に見聞されたことなので臨場感たっぷりでした。因みに、講義の司会役の川島さんも、伝兵衛さんを慕って巨峰ワイナリーに就職されたそうです。   巨峰ぶどうの一年間の栽培方法の講義は、毎日ぶどう畑の面倒を見ていらっしゃる鳥越先生。午後に行う花摘み(摘蕾、巻きつる落とし、セット)のやり方を習いました。また、次回は梅雨の中の作業なので雨カッパは必須です、と現場に即したアドバイスも。